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技術ネタについて書いていきたいです。

EMコミュニティと関わるようになった1年間を振り返ってみる

この記事は Engineering Manager vol.2 Advent Calendar 2019 の 15日目の記事です。

自分はエンジニアリングマネージャー(以下、EM)ではないですが、今年の初めくらいからEMに興味を持ち、EMコミュニティと自ら関わるようになりました。
今回は興味を持ってからの自分の気持ちの変化を振り返り、これからEMになろうと思っている人の何か参考になればと思っています。

EMという役割を知るまで

入社当初

自分が新卒でいまの会社に入ったころ、EMのエの字も聞いたことがありませんでした。将来像も特には決まっていませんでした。

そんな状態で1年ほど経ち、会社にも慣れてきた頃、当時の上司から将来どうなりたいか問われました。
自分は元から技術より人に興味があり、人とのコミュニケーションを取ることが好きだったので、なんとなく「技術を深めていくよりかは、マネージャーですかね...」と答えていた記憶があります。この頃はマネージャーの分類についてよくわかっていなかったので、プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーを両方やる人を"マネージャー"だと認識していました。

それから自分はなんとなく"マネージャー"を目標としてやっていくことになるのですが、自分の将来像についてはまだしっくりきておらず漠然とした不安を抱えていました。

チーム異動

入社3年目くらいのとき、チーム異動の話があり自分は新規のチームにアサインされることになりました。
そしてそこでチームのエンジニアリーダーを任されることになりました。リーダーになるのは初経験で、最初に告げられた時はかなり戸惑いました。
上司としては、マネージャー志望というのと、3年目という経験から周りを引っ張ってほしいということらしく、そこは納得できたのですが、やっぱり自分にできるのか不安なところはありました。

そこで上司と1on1の形で期待値のすり合わせを行っていきました。その中で、自分の将来がはっきりしていないことも伝えました。すると、上司が「最近エンジニアリングマネージャーっていうのが流行ってるらしいよ」と教えてくれました。
最初はエンジニアリングマネージャーとは何かわからず、「???」となっていましたが、どういう役割かを調べてみることで自分のリーダーとしての動き方の参考になりそうだったので、一度調べてみることにしました。

このときが自分がEMを知った瞬間でした

EMを知るために

EMという役割がどんなことをするのか知るために、まず勉強会に参加してみました。
Engineering Manager Meetup(EM Meetup)、エンジニアのマネージメントで悩んでいる人が集まる会(EM集会) など、EM系の勉強会には参加し情報収集を行いました。
EM集会では懇親会でピザが出たため、緊張していた自分はそこで少し安心感を覚えました。

また、勉強会での交流からEM.FMきのこるエフエムなどのPodcastの存在も知り、毎日聴き漁っていました。話が理解できない箇所は調べながら、毎回興味深く聴かせていただきました。

そして、エンジニアリング組織論への招待や、エンジニアのためのマネジメントキャリアパスなどの本を読んだり、技術書典で挫折論への招待などの本を買い漁ったりもしました。
広木さん及川さんすごい...本出版してる方たち熱量すごくてすごい...と思い、EM界隈への尊敬の念を深めていきました。

また、もっと気軽にEMが発信できて交流できる場が欲しい(自分が情報収集できる場も欲しい)と思い、自分で Gotanda.EM という勉強会を立ち上げてみたり、EM界隈にもっと関わってみたいと思い、10月に開催されたEOF 2019 にボランティアスタッフとして参加させていただきました。
EM界隈の盛り上がりを肌で感じることができました。

(Gotanda.EMで自分も発表したときのスライドです)

speakerdeck.com

わかったこと

この1年間、EMコミュニティと関わるようになってからいくつかわかったことがありました。

1. EMコミュニティがとても温かい

自分は最初EM向けの勉強会へ参加するかどうかとても迷いました。
マネージャーレベルの人が集まる会となると、普段の技術系勉強会とはまた雰囲気が違いそうですし、自分なんかが参加しては迷惑になってしまうのではないかと思ったからです。

実際に参加してみると、発表される内容は自分よりも遥か高い視点からの話が多く、さすがマネージャー向け勉強会...!と気後れしてしまいました。しかし、発表している様子は普段の技術系勉強会のように、本当に楽しそうにチームや組織についての発表をしていました。懇親会でも最近のチームの様子などについて楽しく話すことができ、立場は違えど、好きなことや悩みを共有する文化があることを知りました。

前述のGotanda.EMにも多くのEMの方にご参加いただき、ここでも温かさに触れることができました。新参者でかつ、イベント主催も初めてという状況で、不手際なところも多々あったと思いますが、「楽しかった」や「いい会だった」などの言葉をいただくこともでき、本当に嬉しかったです。ご参加いただいた方々、本当にありがとうございました。

EM MeetupのSlackで宣伝させていただいた際に、多くのリアクションがついてそれだけで嬉しかったです 🙇‍♂️

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EM MeetupのSlackの様子

2. 大事なことは「人に関する課題に向き合い続けること」

人は一朝一夕では変わるのは難しいため、組織課題へのアクションの成果が出るまでにどうしても時間がかかってしまいます。
勉強会の発表などで、「この課題に対して、1年取り組み続けた結果良くなってきた」のような話をよく聞きました。LTでは簡単なように話していますが、1年取り組み続けることは簡単なことではないと思います。
1年で成果が出ればいいですが、そこで成果が出なければさらに時間がかかります。
取り組む課題を明確にして、自分の考えた施策を信じて、周りを説得しながら、継続してアクションを行う必要があるという、とても大変でやりがいのある役割であることが改めてわかりました。

自分はEngineering Manager Meetupで拝見した kosako さんのこのスライドが好きで定期的に見返しているのですが、最後のスライドの「覚悟が何より大事」という部分に特に共感しました。

speakerdeck.com

また、10月に開催された EOF 2019 というイベントでも、「EMに向いている人は逃げない人である」という話が出ていて、やはり長期戦を覚悟して、人や組織の課題に向き合い続けることができるかどうかが重要なんだろうと思いました。

これから

いろいろ調べて、コミュニティに関わるようになった結果、今はEMを将来像に据えるようになりました。"マネージャー"を将来像としていたときと比べると、漠然とした不安は消えています。
元々自分のリーダーとしての動き方の参考にするつもりが、かなり興味を持ち自らコミュニティに関わるようになりました。
人に関心があったので、EMのみなさんが人や組織を真剣に考え、アクションしている様子に強く心を惹かれたのかもしれません。

この1年間を通して、新参者でも温かく受け入れてくれて、みんなが人や組織のことを一生懸命に考えているポジティブな感情が集まったこのEM界隈が好きになったので、少しでも恩返しができるように貢献していきたいと思っています。

そのためにも、まずは自分のできることを増やしていこうと思います。
EMの役割を可視化したものとして、エンジニアリングマネジメントトライアングルというものがあります。
自分がこの中でできているものは少なく、Team Buildingくらいしかできないのでは!?と思ってしまう程度なので、まずはEMを名乗れるように一つずつ枠を埋めていければと思っています。

なかなかまとまらずアドベントカレンダーに書くような記事ではなかったかもしれないですが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2020年もやっていきます!よろしくお願いします!