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「最高の結果を出すKPIマネジメント」を読んだ

会社でたびたびKPIの話がでるが、ちゃんと勉強したことなかったなと思ったので本を読んでみることにした。
今回は評判がよさそうで基礎から学べそうな「最高の結果を出すKPIマネジメント」という本を読んでみた。

KPIマネジメントとはなにか?

自分はこれまでKPIと聞くと、半期で達成すべきチームの数値目標というような印象しかなかった。
なぜKPIを設定する必要があるのか?KPIとはそもそも何か?という部分を改めて学んでみた。

この本ではKPIマネジメントを以下のように定義している。

KPIマネジメントとは、次の3点を関係者全員で共有・実行・改善し続けることです。
①現在の事業にとっての最重要プロセスを明確にし(=CSF)
②それをどの程度実行すると(=KPI)
③事業計画が達成できるのか(=KGI)

(「CSF」はCritical Success Factor、「KPI」はKey Performance Indicator、「KGI」はKey Goal Indicatorの略)

これを図にしたのが以下。

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「最高の結果を出すKPIマネジメント」から引用

つまり、KPIはKPIマネジメントという枠組みの中で出てくる用語で、CSF(=事業成功の鍵)を数値で表したもの。KGIからブレイクダウンされたものという前提がある。
KPIをしっかり設定することで、いまチームとしていま注力するべき指標と目標数値がわかり、それが達成されることによって、事業としての目標数値(KGI)も達成される。

なので当然ではあるがKGIの認識は必ず関係者で合わせておく必要がある(利益なのかユーザ数なのか?目標数値は最低限なのか可能ならレベルなのか?)

KPI設定のつまづきポイント

一見当たり前じゃん...とも思うが、自分がKPIをいざ設定しようとしたときに回避できるとも言い切れないので本から抜粋してメモしておく。

  1. たくさんの数値目標を設定している
    • この本では「KPIは一つに絞るべき」とされている
      • たぶん多くの実際のケースでは複数設定されていそうだが、その場合はKPIマネジメントではなくIndicatorマネジメント(数値管理)をしている状態
    • KPIを信号とするならば複数あると進むべきか止まるべきか判断がつかない
  2. 現場でコントロールできない指標をKPIにしている
  3. 先行指標ではなく遅行指標を選択している
    • KPIマネジメントは改善し続けることが大事
    • 例えば9月のデータが10月や11月にわかる状態だと、改善するまでにタイムラグが発生してしまう
  4. 定期的に見ている指標にCSFがない
    • 誤った指標や数値を見ていても事業は成功しない
    • KGIからブレイクダウンしてしっかり判断する

1に関しては、「KPI」と「定期的に見るべき指標」を区別すればいいと思った。
ARPPUやDAUなど、単に重要そうな指標を計測したものは「KPI」ではなく「定期的に見るべき指標」であって、その中でも一番重要なものがCSFであり「KPI」なので、使い方を間違えないようにしたい。
どの指標が重要かがちゃんと共有されていれば、指標の数は複数でもいいのかなぁとも思った。

感想

KPIマネジメントの基礎を一から学ぶことができるいい本だった。
ここには書かなかったが、実際にCSFをどう選ぶかやKPIの運用に関しても載っていたので、何度も読み返すことになりそうと思っている。
KPIの運用(改善サイクル)らへんの知識はもう少し欲しいと思ったので、他の本もあたってみようと思う。